花粉症対策に納豆菌S903効果 症状緩和やインフルエンザにも

 納豆メーカー大手のタカノフーズ(小美玉市野田)は、花粉症の緩和やインフルエンザの予防の効果などが確認されたオリジナルの納豆菌を使い、新商品を開発し2月27日に全国販売することを発表した。通常の納豆菌に比べて免疫機能が約1・5倍で、「たれ」にも免疫力を高める乳酸菌を配合した。

 新商品の名前は「すごい納豆S-903」。同社が保有する2200種類以上のオリジナル納豆菌の中から、2002年に発見した納豆菌「S-903」を使い、大学や研究機関と協力して納豆菌の機能を研究する過程で、免疫効果の高いことを確認した。免疫機能が高いだけでなく製造にも適しているのが特徴で、2012年に特許取得済み。

 同社と中部大の共同研究では、インフルエンザウイルスの増殖予防や、感染後も体内で抗体の生産量を高める効果があると確認された。14年には同社が花粉症患者50人を対象に、S-903を使った納豆を10週間食べてもらい、未摂取の人と比較し、鼻水や目のかゆみなどの症状の改善効果を調査したところ、摂取した人には、鼻炎症状の緩和やくしゃみの和らぎなどの効果があった。

 添付品の「たれ」にもこだわり、乳製品メーカー森永乳業(東京)の免疫効果があるとされる乳酸菌を配合。納豆菌と乳酸菌は相性が良く、お互いの働きを活発化させて腸内環境を改善し、免疫力を一層高める効果が見込まれるという。

 開発に携わった同社納豆研究部門の小林知世さんは「臭いが控えめで納豆が苦手な人にもお薦め。働き盛りの30~40代、免疫力の弱い子どもやお年寄りに食べてほしい」と話す。商品は3パック入り(1パック40グラム)213円(税込み)。全国のスーパーなどで販売する。(茨城新聞クロスアイ 2/3(金) 8:00配信より引用編集)

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「すごい納豆 S-903」
(マイナビニュース http://news.mynavi.jp/news/2017/01/19/347/より引用)

●深堀り 花粉症のメカニズム

 そもそも花粉症とは、花粉がアレルゲンとして身体に侵入することで、白血球のヘルパーT細胞のひとつである2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)の働きによって引き起こされる免疫反応のことである。Th2細胞は花粉を撃退するため、IgE抗体と呼ばれるタンパク質を生産するが、このIgE抗体こそが、花粉症の症状を悪化させる原因物質なのである。
 IgE抗体は、粘膜系や呼吸器系、皮膚系でヒスタミン、インターロイキン-4、ロイコトリエンなどの化学伝達物質をつくりだし放出する。その量が多いと、花粉症の代表的な症状であるくしゃみ、鼻水、鼻づまりや目の痒み、皮膚の痒みなど酷くなるというメカニズムなのである。
 このIgE抗体を作る指令をだしているのがTh2細胞であるが、このTh2細胞、Th1細胞によって働きが抑えられる。Th2細胞の働きが抑えられてIgE抗体を作れという指令が少なくなることで、結果としてアレルギー症状が出にくくなるのだ。逆に、いろいろな要因でTh2細胞が活性化するとIgE抗体が多く作られ、少しの刺激でアレルギー反応が出やすくなるため、花粉症の症状がひどくなるのである。

●腸内バランスで花粉症軽減

 ここで、免疫力の約7割をつかさどっているといわれているのが腸内フローラ、すなわち腸内細菌だ。人間の腸内には約3万種、1000兆個もの腸内細菌が存在し、大きくわけて善玉菌、悪玉菌、日和見(ひよりみ)菌に分けられる。この善玉菌、悪玉菌などのバランスが免疫細胞の活動に大きく影響することがわかっている。
 悪玉菌が増えるとTh2細胞が増加し、善玉菌が増えるとTh1細胞とTh2細胞の均衡がとれ、花粉症の症状が抑えれるというメカニズムである。日和見菌は優位な側に加勢するため、善玉が増えれば善玉として働き、悪玉が増えれば悪玉として機能する。このため、日頃から「菌活」により腸内の善玉菌を増やして日和見菌を味方にし、バランスを「善玉」に傾けることが大切なのだ。

●腸内環境の改善には乳酸菌や納豆菌

 では、どうすれば善玉菌を増やすことができるのか。
 菌には、乳酸菌や納豆菌などのように腸内環境を整えることができる菌が存在する。これらの菌を積極的に摂取することで「善玉バランス」に持ってゆくことができるのだ。
 特に納豆に含まれる納豆菌は熱や酸に強く、生きたまま腸に届くため、腸内で活性化して善玉菌を増殖させる働きが強い。さらに、納豆菌は、病原性大腸菌やサルモネラ菌、カンジダ菌などの悪玉菌の活動を弱める効果もあることも報告されている。(日本ナットウキナーゼ協会)

 また、乳酸菌をサポートするのは納豆菌だけではなく、みそや塩麹などに含まれる麹菌やきのこ類にも、ベータグルカンという免疫力を高める成分が含まれている。このベータグルカンは乳酸菌との相性がよく、同時に摂取することで生体防衛反応を高め、アレルギーを抑制する。
 さらに、ナタデココや酢に含まれる酢酸菌には腸内を酸性にする作用がああり、酸性を好む善玉菌が活性化する。これらは、直接免疫細胞のバランスを改善する効果はなくても、乳酸菌を活性化させることで、間接的に花粉症対策に役立つのである。(東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎さんより)

●日頃からの改善が重要

 さて、いいことづくしの納豆であるが、花粉が飛び始めてから急いで納豆を買い漁ってても効果は薄い。腸内環境が改善し、善玉バランスになるのは時間がかかるのだ。腸内環境が昨日食べた物で影響を受けるくらいすばやく変化するのであれば、焼き肉に行った次の日には免疫力が低下することになるだろう。実際にはそのようなことは起こらない。これは、まず、腸内環境が改善されたのち、少しずつ免疫細胞がバランスを良い方向にシフトさせてゆくためだ。
 先の新開発の「すごい納豆S-903」でも、患者に10週間食べてもらってから効果を確認しているのだ。効果が出るまで10週間は、少し長すぎるような気もするが、いづれにせよ時間がかかるのは事実であろう。

 発売を待たず、今からでも毎日ヨーグルトと納豆を食べ始めた方が無難なようだ。

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